私を男にして下さい。

私はジェンダーバイアスに縛られない社会を築きたいと思っていますが、それは、いわゆる、女性のエンパワーメントや、女性活躍推進と、同義ではありません。これらはジェンダーバイアスに縛られない社会を築くための重要な要素ですが、ジェンダーバイアスに縛られない社会は、これまで男性に集中してきた権力や力を女性に分け与えることだけで達成できるものではなく、男性がこれまで負ってきた責任を解放し、女性がその負担を分かち合うことに繋がる部分もあります。その意味で、これは女性だけの問題ではなく、ましてや男女の分断をあおるような問題ではないと思います。ジェンダーバイアスとは、無意識のうちに、社会から要求される、男らしさや女らしさと表現される「期待」であり、「呪縛」だと思います。それを失くすことができれば、男も女もLGBTも関係なく「個人」がそれぞれ自分らしく生きればよく、それぞれがそれぞれの生き方を尊重する。それが多様性を認める社会なのだと思います。今の社会にジェンダーバイアスがあるのか疑問に思う場合は、「男のくせに」「女のくせに」の後に、言葉によっては強い違和感を抱く場合がないか考えてみれてすぐにわかります。「男のくせに稼ぎが少ない」「女のくせに稼ぎが少ない」「男のくせに物をはっきり言い過ぎる」「女のくせに物をはっきり言い過ぎる」「男のくせに料理もできない」「女のくせに料理もできない」ワーキングマザーや、イクメン、という言葉は生まれても、ワーキングファーザーとか、イクウイメンなんて言葉は生まれない。選挙のときに政治家が「私を男にしてください」というのを聞くことがあります。先日、駅伝の中継で、アナウンサーが区間新記録で完走したランナーを指して、さらっと「(〇〇選手)は男になりました」というのを聞きました。「男にして下さい」とか「男になりました」と聞いて、「どういう意味ですか」と疑問を持たれないのは、ジェンダーバイアスが蔓延している証拠だと思います。何か大きなことを成し遂げるときによく使われる「男になる」という表現。私自身の選挙でも、「私を男にして下さい」と訴えてみようかなと思ったりしていますが、ギョッとされるでしょうか。。これが男性専用の比喩表現なら、「私を女にして下さい」かな。街頭演説会で、「みなさん、どうか、私を女にして下さい!」と熱く訴えるのは、やや勇気がいりますが、バイアスの存在を認識してもらうきっかけになるなら、やってみようかな、とこっそり考えたりしています…

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